鬼滅の刃 吾峠呼世晴著 1巻~23巻完結 感想譚Vol.2

終わりかたが良かったからこそ作品の価値がぐんと上がった。
そういうキャラ造形の見事さもあって、「この主人公には幸せになってほしい」と毎回読んでいて思ったし、先輩戦士の生き様と死を看取って自分の弱さに打ちのめされる場面なんかは他人事のように思えませんでした。ただ、柱については煉獄さんや冨岡さんは好きな一方、彼らがフィーチャーされるよりも炭治郎・善逸・伊之助のゆるい旅を見たいなと思っちゃう事は多かったです。
これは特に終盤で顕著なんですが、善逸って単独で人気になりつつ、でもドラマ上で人間関係やメンタルの変化はあんまりなかったなと。
そこがあって、「クライマックスのMVP」になれたのは伊之助だったなと。
初登場時の「戦い」しか目になかった伊之助が成長していき、炭治郎という「良いヤツ」と出会い、そしてその成長・友情の結果として「最愛の友人である炭治郎を、鬼になる前に殺す覚悟」で突っ走っていくけれど……という、あのシーン。
ここで本当に泣きに泣いてしまったんです。もっと言うと禰豆子が記憶を取り戻すところでさえ、一番グッとくるのは「伊之助がどんぐりをくれる」というところだったりする。
これがめちゃくちゃ良いんです。おかげで子供人気も出てるのもわかるし。
鬼滅は血みどろのバトル以上に、ここですね。一個一個の日常が重い、それが昇華されていくのがバトルシーンで、ここは本当にドラマを使ってうまく弱みを誤魔化している感じがして良いですね(無理矢理苦手なところを高めるより、別の要素を押し出して誤魔化すのはプロとしての最良の手です)。
ちょっと終盤は「あれ?」となる部分も多かったんですが(というか最終決戦の突入の唐突さとか、大目標だった「禰豆子を助ける」が炭治郎の知らぬところで勝手に起きてるとか、ふつうに考えるといろいろヤバイ、まあ泣けるところはきっちり泣けるし、「炭治郎と伊之助のやり取り」とか「炭治郎たちが家に帰る」とか「肉の壁となった隊士たちの刀を逃げる無惨に投げる」とか常にどこかに見どころ大でした。
「返せよ、手も足も命も全部返せ」は本当に良い台詞でしたし、台詞の訴え方は言葉選びだけでなく絵も相まって迫力があってよかったです。
凄くグッとくる、「がんばれ」と思える、そういうキャラクター造形がここまで完成していて、こちらも熱気を持って読んだり見たりできる、そういう作品である事は最後の最後まで変わりませんでした。

で、まあ本誌で読んだときは最終回も微妙かな〜と思っていたんですが、単行本での加筆はもう素晴らしい終わり方。
逆に言うと鬼滅はこれ以上の脂肪はいらないくらい、もう全巻ですべてが詰まって終わっていると思います。
社会が認めた作品が必ずしもめちゃくちゃ良いとは限らないとはいえ、今回に関しては本当に良い作品が社会に認知された例だなと思いました。


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