紀元前3世紀、未だ統一されない古代中国の春秋戦国時代末期を舞台にして、後の始皇帝となる秦王政と、秦の武人である主人公・信の活躍を中心に描く。

時代は紀元前。500年の争乱が続く春秋戦国時代、中国最西の大国「秦」に「信(しん)」と「漂(ひょう)」という名の二人の戦災孤児がいた。二人は、下僕の身分ながら、「天下の大将軍」を夢見て日々修行に明け暮れていた。
やがて、秦国大臣・昌文君に見出され仕官した漂は、ある夜、深手を負った状態で戻って来る。息絶えた漂から託された紙に書いてあった場所に辿り着いた信は、そこで漂と瓜二つの少年を目の当たりにする。その少年こそ秦国第三十一代目大王・政(せい)であった。漂落命の原因となった政に激昂する信だったが、自らに託された漂の思いと自らの夢のため、乱世の天下に身を投じるのだった。
反乱鎮圧の功により平民の身分を得た信は3か月後、兵卒として秦魏戦争で初陣を迎える。戦場である蛇甘平原で劣勢の秦軍の中で信の伍は奮闘、千人将・縛虎申と共に魏軍副将・宮元を倒して戦場の要地を奪う。
そこに突如現れた秦の怪鳥の異名を持つ秦国大将軍・王騎。信は図らずも天下の大将軍と会話する機会を得る。
戦は秦魏両軍総大将同士の一騎討ちで決着し、勝利した秦軍は帰国の途についた。信は功により百将に昇進。王宮に政を狙う暗殺団が放たれた。これを迎え撃つ信は、暗殺団の中に戦場を共にした羌瘣の姿を見つける。羌瘣こそは、伝説の女刺客「蚩尤」に名を連ねる者だった。彼女に圧倒されるが、他の暗殺団の到着に図らずも共闘し、撃退。
発覚した首謀者の名は秦国丞相・呂不韋であった。今は手を出せぬ政敵に、政陣営は忍耐を余儀なくされるも対抗するために王弟陣営を吸収し、着実に力をつける。始皇3年、韓を攻める隙に、趙軍から馬陽を攻められた秦では、急遽編成した迎撃軍を最後の六大将軍・王騎に託す。
そこで初戦を迎えた信率いる百人隊は王騎の特命により、趙将軍・馮忌を討つ。その功で「飛信隊」の名を授けられた信は、将軍への道を垣間見た。
蒙武軍の活躍もあって趙将軍・趙荘の采配を悉く上回る王騎であったが、総大将の趙国三大天・龐煖との決着のために、罠を承知で軍を進める。龐煖は妻となるはずだった秦国六大将軍・摎を討った因縁深き相手だった。
本軍同士が激突、総大将同士が一騎討ちを戦う最高潮の中、突如秦軍の背後に未知の新手が姿を見せる。率いるのはもう一人の趙国三大天・李牧であった。一転して死地に追い込まれた秦軍、一瞬の隙を突かれて王騎も致命傷を負う。
信に背負われ激戦の末脱出に成功した王騎は、信に自らの矛を託し、皆に多くのものを残してこの世を去る。始皇4年、王騎亡き後、諸国に国境を侵され始める中、三百人隊に増強された飛信隊は各地を転戦。そんな中、呂不韋の画策により趙国宰相が秦を訪れることが伝わる。その宰相こそ誰あろう李牧その人であり、秦趙同盟という土産を携えていた。同盟成立後の宴席で李牧と直接話す機会を得た信は、李牧を戦場で倒すことを宣言した。
始皇5年、秦趙同盟の効果は早くも現れ、魏国要衝の地「山陽」の奪取を目的とした、対魏侵攻戦が開始される。総指揮官は「白老」の異名を持つ秦国大将軍・蒙驁。遠征軍に加わった飛信隊は同じく三百人隊の玉鳳隊(王賁)、楽華隊(蒙恬)と競い合いながら功を挙げていく。
秦軍の前に立ちはだかった魏軍は、元趙国三大天・廉頗に率いられていた。廉頗の登場で全中華が注目する中、秦魏両軍は決戦の火ぶたを切る。六将級と評される王翦、桓騎の両名を副将に擁する秦軍と、廉頗四天王が率いる魏軍の間で交わされる激戦の中、信は廉頗四天王・輪虎を討ち取り、戦功第三位の大功を挙げる。
ついに相対した総大将同士の一騎討ちの中、蒙驁は六将と三大天の時代の終焉を廉頗に告げる。自らの存命を理由にそれを否定する廉頗であったが、輪虎を討ち取った信から王騎の最期を聴き時代の流れを悟る。敗北を認めた廉頗は信に六将と三大天の伝説を塗り替える唯一の方法を教え、堂々と去って行った。

この漫画はとても人気でアニメになったり、実写映画になったりとキングダムファンは、かなりの人数になる事ですね。原作で好きなシーンは信が大将軍、王騎の馬に一緒に乗せられ、これが大将軍の景色だと教えられる所が個人的に熱くなりました。まだ年齢的に子供と見間違える女性軍師、河了貂や羌瘣という強い兵士、仲間(部下)が主人公の信の飛信隊のメンバーにいることで物語は活気に溢れて読み手を飽きさせないストーリーであります。戦闘シーン等はリアルでグロテスクな場面もありますが、信は死んでしまった幼馴染の漂との約束である天下の大将軍に成る為に武功を上げ続け戦禍に赴き、王騎の武器である大鉾を受け継ぎ大将首を打ち取り敵国にも知られる存在となっていく。登場人物は凄く多いのですが無駄な登場人物が居ないくらいとても良く調べ上げ描かれている青年漫画です。主人公の信と羌瘣の関係も気になりますね。知らない人は少ないかも知れませんが、まだ読んでいない方は是非読んでいただきたい作品です。 |
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