月刊!スピリッツ
ビッグコミック増刊号 レーベル ビッグコミックス
単行本:既刊35巻+自選集1巻
文庫版:全23巻(32巻分までの内容)

漫画は1992年より『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)にて不定期で連載が開始され、同誌2005年9号で連載を一旦終了した。第41回(平成7年度)小学館漫画賞を受賞している。
2012年に東日本大震災の復興支援企画『ヒーローズ・カムバック』の第1弾として、震災で被災した美術品をテーマとした新作「ガレキの街の美術商」[前編・後編]が同誌で発表された(『3.11を忘れないために ヒーローズ・カムバック』)。2016年には同誌の創刊35周年記念の短期連載と『月刊!スピリッツ』での読切掲載が行われた。翌2017年から『ビッグコミック増刊号』で移籍連載されている。
単行本は小学館ビッグコミックスから刊行されている。32巻までは2005年までの発表分、33巻は主に2012年と2016年の発表分、34巻からは『ビッグコミック増刊号』掲載分を収録している。また、32巻までの収録分は、小学館文庫版全23巻としても刊行されている。この他、描き下ろし「忘れられた一夜」も収録した自選集『ギャラリーフェイクTHE BEST』(ビッグコミックススペシャル)が2004年に刊行されている(描き下ろしは単行本33巻にも再録された)。
この他、『ギャラリーフェイク』単行本には収録されず、『細野不二彦短編集』各集に収録された番外編・特別編もある。
表向きは贋作・レプリカ専門のアートギャラリー『ギャラリーフェイク』を舞台に、オーナー藤田玲司が、様々な登場人物と様々な美術品を通じて、時に世界を駆け巡り、「美とは何か?」を追い求める。主人公は単なる守銭奴・単なるビジネスではなく、アートへの奉仕者、美の探求者として清濁併せ呑む人物として描かれている。美術・芸術・骨董・その背景となる歴史などの多分野にわたる薀蓄的描写があり、助手サラ・ハリファとのほのかな恋の行方も描かれる。1話1エピソードが基本で、2話1エピソード、3話1エピソードの中長編がいくつかある。エピソード毎にゲストキャラクターがいるので、レギュラー、準レギュラーを含め登場人物は大変多い。
芸術に絡んで社会問題・時事問題にも言及するなどしており、物語は美術方面の商業的な話題から推理サスペンス、コミカルな人間模様、陰惨な事件、時に憎み合い時に愛し合う人々の交流、文化財保護にまつわる制度面の問題など、多岐にわたる。

藤田玲司(ふじた れいじ)
主人公。アートギャラリー「ギャラリーフェイク」を営む美術商。メトロポリタン美術館(MET)の元キュレーター。
30代後半の中肉中背の男性。西洋絵画を始めとして東洋美術、彫刻や陶芸、古美術、骨董品、民芸品、果ては玩具まで美術品全般に造詣が深く、知識や観察力(鑑定眼)に優れる。加えて高い複製や修復(修理)技術を持ち、特に西洋絵画の贋作製作に長ける。表向きは贋作・複製などの美術品を専門に扱うアートギャラリー「ギャラリーフェイク」を経営しているが、その裏では税金逃れの横流し品や盗品などの表のマーケットで扱えない真作を法外な値段で売る闇商売をしており、美術界の鼻つまみ者として厄介者扱いされている。その商売柄、語学に堪能で駆け引きに秀でており、裏社会との繋がりやコネもある。また、本業の傍らで幻のモナ・リザとされる絵画を探している。
サラ・ハリファ
メインヒロイン。藤田の助手。アラブの王族出身で富豪。
浅黒い肌と長い黒髪の中東系の美少女。年齢は不明(パソコン通信では19歳と自称。作中では飲酒している)。見た目や言動は天真爛漫な少女そのものだが、実は王族出身で資産家。右腕に酷い火傷の跡がある。後述の経緯から日本に流れ着き、傷ついたゴッホの「ひまわり」の一件で藤田に助けられ、押しかけるような形で彼の助手として「ギャラリーフェイク」に勤め始める。藤田を好いており、積極的にアプローチすることもあるが、当の藤田が朴念仁であることや、のらりくらりとかわすために業を煮やすことも多い。日本での生活では都内の高級ホテルのスイートルームを年間契約で借り切って一人暮らしをしている。
その出自は「Q首長国」の王族で、幼少より西洋美術に見識のあった両親の元で育つ(両親の一族内での地位は不明)。ところがクーデターによって両親を失って国を追われ(この際に右腕を負傷する)、その逃避行中に形見の「ひまわり」を騙し取られてしまう。そのため「ひまわり」の行方を追って日本に辿り着き、藤田によって取り戻すことに成功する。上記のクーデターの詳細は不明だが、親戚は健在である上、両親の莫大な遺産は維持されている(加えて日本の外務省が気を遣う要人でもある)。故国に帰省するエピソードもあり、現在も日本にいるのは、あくまで藤田に惚れているためである。

細野不二彦先生の長編青年漫画、ギャラリーフェイクは個人的にかなり好きな漫画の1つです。主人公の藤田玲司がボロボロになった名画を修復するテクニックや目利きは天才的でカッコいいのだが、本人にその自覚は無い3枚目キャラクターです。美術品だけに囚われずパチンコの裏ロム等のストーリーが描かれている。藤田は裏社会にも名前は知られており、飽きる事の無い物語が多岐にわたって掲載されている。例えばどんな物語?と問われると返答に困る程、色んな舞台でストーリーは進められている。一度読んで、数日経って読み返しても面白い青年漫画です。読んで知っている人も知らない人も手に取ってみてはいかがでしょうか。◎の作品です。
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