1991年7月 茂雄の夏休みが始まる。小学3年生の茂雄は優等生で、母 花織に明日から夏休みだね。とオール5の通知表を見せ、花織から うれしい?との問いに 別にイ。塾には夏休みなんて無い、ハードボイルドな毎日さ。と返答する茂雄に 花織がその事で大事な話しがあるの。今日からお父さんと一緒に暮しなさいと云われ、動揺し、あんな野球バカ(プロ野球選手になると云って出て行った30歳になり物理的に無理だと花男を見下す茂雄)と暮らすなんてと嫌がる茂雄に花織から、だから知ってほしい。父さんの事。夢を見ているいつまでも子供のまま、そんな男が好きなのと云う花織に諭され父である花男との二人暮らしが始まる・・・

電車で2時間もかかる花男の自宅へと向かう茂雄、花男は草野球チーム「フラワーズ」の
監督兼主将をつとめ草野球に明け暮れる毎日(夢は巨人軍に入る事で長嶋崇拝者だから草野球チームでは背番号3番をつけている。俺は巨人で4番を打つ男‼が口癖)帰宅した花男を茂雄は待ち構えていた。久しぶりの父子との再会も小学3年生だが大人びた茂雄と心は子供の父 花男との会話は
実にコミカルに又すれ違いながら二人の生活は進んでいくのだ。そんなある日、
花男は90㏄のバイク(中古のカブを買い さだはる号と命名)近所迷惑だと怒る茂雄に花男は茂雄も運転してみろよっ。最高だぜ。さだはる号‼ラジコンなんかよりずっと簡単だぜっ‼と叫び二ケツで走るのだが運転は茂雄で後ろに花男!恐らく無免許の花男だが茂雄に運転方法を教えながらバイクは進む。花男なりの教育法なのだろうか。最終的には茂雄のほうが運転はうまくなる。

松本大洋先生の漫画作品の中で特に笑い感動したのが「花男」です。絵柄は独特でトーンや物差しの直線は一切無し(枠線以外)の版画の様なペン技法(青い春よりは曲線は滑らか)特にバットの描写はマネできる漫画家先生は少ないのではないでしょうか。ストーリーもとても良く練りこまれており、子供とは親にどういった影響をもたらすのか。父親とは子供にどの様に接するのか夢とは。といった一つの答えなのかもしれません。西から来たプロのスカウトを断り続け、あくまでも読売巨人軍への入団に拘り、待ち続けている理由は読めば納得できるのであります。花男は子供のころから長嶋崇拝者。こだわり続ける事柄。これ以上は書きませんが、読んでいない人は是非とも読んでみて下さい。とてもファンの多い、松本大洋ワールドに引き込まれること間違いなしです。

![]() | 【中古】 花男 第1集 / 松本 大洋 / 小学館 [コミック]【メール便送料無料】【あす楽対応】 価格:328円 |
![]() | 花男 満塁ホームラン (ビッグ コミックス) [ 松本 大洋 ] 価格:2,530円 |
コメント