銭ゲバ ジョージ秋山 出版社 小学館掲載誌 週刊少年サンデー 現在レーベル 幻冬舎文庫 上下全2巻

蒲郡風太郎は幼少の頃から左目に醜い傷が有った。父親は最低のろくでなし、母親は気だては良いが病弱。それゆえ家庭は極貧で、ときには5円の金も無いほどであった。貧しいながらも懸命に生きてきた風太郎にとって、心の支えとなっていたのは、母親と風太郎に優しく接する近所の青年であった。しかし、治療費が払えない母は病死、自暴自棄になった風太郎は盗みに走り、それを咎めた青年を手にかけてしまう。

 ©ジョージ秋山/幻冬舎文庫

それを機に、風太郎は生まれ故郷を飛び出し、成長して大企業の社長一家に取り入って、陰で金銭の為に殺人を繰り返すことになる。遂には、社長一家を死に追い込み、企業の乗っ取りに成功し、政界進出も果たす。しかし、栄耀栄華を極めた風太郎は、誰もが予想できない最期を遂げるのであった。

 ©ジョージ秋山/幻冬舎文庫

故ジョージ秋山先生の1970年に掲載された銭ゲバですが、貧困家庭に生まれればそれをバネに大成する場合もあれば、貧困層のまま一生を終える場合もあるのかもしれません。風太郎のケースは、負のエネルギーが異様に強く銭と出世の為なら殺人も厭わない。が、純真無垢な女子高生の綺麗な心と容姿端麗さに心躍らせるが、その女子高生がある日「抱いて、お金が必要なの」と服を脱ぎ捨てた際に風太郎は激しく怒り、殺めてしまう。風太郎の理想の女性は母親しかなかったのかも知れません。銭が無かった為に医者にも見捨てられ亡くなった母、銭さえあれば出来ない事はないと銭に執着する。但し心の奥底では普通の幸せな家庭が欲しかっただけ・・・なのかもしれません。TVドラマで観た、観ていない方は是非とも読んでいただきたいと思います。

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